一般質問 原稿と答弁

甲府市議会3月定例会本会議において、一般質問をおこないました。


質問項目は(1)重度心身障害者医療費助成制度について、(2)市民負担軽減について、(3)市民の購買力を増やす施策について、の3つです。


質問原稿と答弁を報告します。


質問

昨日の日本共産党の内藤司朗議員による代表質問に続いて一般質問をおこないます。


 

重度心身障害者医療費助成制度について


質問の第一は、重度障害者医療費助成制度についてです。


最初に、小学生以下の重度心身障害児の医療費助成方法についてお尋ねします。

昨年11月より山梨県重度心身障害者医療費助成制度が、自動還付方式へと移行させられました。3カ月後に払い戻されるとはいえ、医療機関を受診した際にいったん支払いが生じるようになったことにたいして、怒りの声があがっています。

なかでも、「すこやか子育て医療費助成制度」の対象年齢に相当する小学生以下の重度心身障害児にも、会計が必要になったことについては「理解できない」など、特に強い不満、疑問の声があがっています。

2月5日、雪の降るなか、甲府駅南口で、重度障害児の医療費窓口無料制度の復活を求める署名行動がとりくまれました。署名した人たちからは「ひどい」「なぜ障害者だけ」と驚きの声が次々と寄せられました。

窓口無料方式が廃止された初日、昨年11月1日に、車いす生活の長女を受診させた女性は、会計を待っているときに「どうして私だけすぐに帰れないの?」とお嬢さんに尋ねられ、答えることができなかったそうです。この女性は「車いすは他の子のメガネといっしょだよ」といってわが子を育ててきたそうです。

同じように小児科を受診した際に、同じ年齢、同じ学年でも、「障害があるがゆえに負担を強いられている」と映る現象には、障害児や保護者の思いを踏みにじる残酷さがあると言わざるを得ません。

昨年9月、窓口無料方式の堅持を求める28,979人の署名が県へ提出されました。

制度改悪後は、窓口無料方式の復活を求める署名が急速に広がり、今月、3月中旬に県へ提出される予定です。


質問します。重度障害児とその保護者をはじめ、多くの市民の疑問の声にこたえるには、甲府市単独実施となったとしても、重度心身障害児については、医療費助成制度の窓口無料方式を復活させるべきと考えますが、当局の見解を求めます。


なお、甲府市議会においては昨年9月に、日本共産党の3議員をはじめ6人が、重度心身障害児医療費助成の窓口無料方式を維持するための条例改正を提案し、7人が賛成しました。当時、当局から聞き取りをしましたが、小学生までの重度心身障害児の医療費窓口無料制度を継続することは、1,142万円余の予算でできるとのことでした。これは、716億円余という平成26年度甲府市一般会計当初予算の0.015%です。甲府市単独での窓口無料方式復活は十分に可能と考えますがいかがでしょうか。


次に、(重度心身障害児だけでなく)、重度心身障害者医療費助成制度の窓口無料方式が廃止された問題について質問します。


山梨県が同制度を自動還付方式へと移行させた背景には、国によるペナルティがあること、ペナルティの廃止については全国市長会を通じて国へ要望されていることは承知しています。

その上で、3か月後に、自己負担分が返ってくるといっても、いったんは会計をしなければならないということが、手持ち金がないなど、経済的な困難を抱えた方に受診をちゅうちょさせることが危ぐされるという問題は重大です。

また、県は融資制度を設けたなどと説明していますが、問題が解決したわけではありません。

昨年12月、ある重度障害の男性が、てんかんの発作で意識不明のまま救急車で搬送されました。国民健康保険料を滞納していて限度額認定症を発行されないため、融資限度額を超える金額を医療機関から請求されました。


こうした問題を踏まえて質問します。重度心身障害者医療費窓口無料制度について、山梨県に働きかけながら、早期復活を図るべきと考えますが、当局の見解を求めます。



市民負担軽減について


質問の第2は、市民負担軽減についてです。


日本共産党はこの間、くらし向きや政治への要望などについて調査するために、市民アンケートに取り組んできました。600人の方たちから回答していただきましたが、81.7%の方たちが「くらしが厳しくなった」と答えています。「特に負担が重いと感じ、軽減を求めるもの」は何かと尋ねたところ、最も多かったのは国民健康保険料で44.9%、次いで介護保険料で41.2%でした。

山梨中央銀行が昨年12月に発表した「県内勤労者の消費・貯蓄動向〜第52回くらしのアンケートから〜」という調査レポートがあります。1,057人が回答していますが、1年前と比べた暮らし向きは「悪くなった」が25.3%。「良くなった」の6.4%を上回っています。同レポートは「県内勤労者の生活実感は、昨冬と比べて悪化した。消費税率の引き上げ等により支出が増加している一方で、給料やボーナスの増加など所得環境の改善は道半ばであることから、家計の負担感が増していると考えられる」と分析しています。

「家計上の悩み」として3項目をあげる設問では、最も多かった回答は「収入の伸び悩み」で58.6%。次いで「税金等負担増」(52.9%)、「物価上昇」(52.5%)と続きます。

深刻な経済状況のもと、安倍内閣は、くらしを脅かす暴走を続けています。消費税の10%への増税は、先送りはしたものの、2017年4月に実施するといっています。さらに、若い人たちを生涯、派遣労働者として低賃金・不安定な立場で働かせ続けることも可能にする労働者派遣法の改悪、物価が上がっても年金水準は切り下げる「マクロ経済スライド」による年金の実質削減などが狙われています。これでは市民の所得が低迷を続け、くらしがさらに脅かされることは明らかではないでしょうか。

また、GDP(国内総生産)の6割近くを占める個人消費の冷え込みは、地域経済の低迷の原因でもあります。


市長は所信表明で、「地域の消費喚起や経済活性化に向けた取組を進め、経済の好循環を確かなものにしていくことが重要」とのべました。そこで質問ですが、高すぎるという声があがっている国民健康保険料、介護保険料、水道料金などの市民負担を軽減して可処分所得を増やし、市民の購買力の向上を図ることは、くらしを守るためにも、地域経済の活性化を図る上でも有効であり、必要であるということを認めますか。市長の見解を求めます。また、これら市民負担の軽減を図る考えがありますか。とくに軽減を求める声の強い国民健康保険料については、1世帯あたり1万円の引き下げをすべきと考えますがいかがですか。あわせて当局の見解を求めます。


国保料の1世帯あたり1万円の引き下げに必要な財源は約3億2千万円です。財政調整基金が2013年度は26億円へと4年で2倍以上に増えていますが、その一部を使えば、可能です。いかがでしょうか。



市民の購買力を増やす施策について


質問の第3は、市民の収入を増やして、購買力の向上を図る施策についてです。

市民負担軽減によって可処分所得を増やすことと併せて、地域の業者の仕事おこしをすすめて所得を増やし、市民の購買力を増やすことも重要だと考えます。

甲府市は2013年度から住宅リフォーム助成制度を導入しました。同制度は、市民が市内の施工業者を利用して、個人住宅のリフォームを行う場合、その一部を負担するもので、助成率は20%、助成額の上限は10万円とされています。1,688万円の助成が実施され、助成額の14倍にあたる2億4千万円の工事がおこなわれました。さらに、山梨県の産業連関表による建設の経済波及効果は1.515倍とされていますので、住宅リフォーム助成制度は少ない予算で大きな経済効果がある、即効性のある経済対策といえます。また、助成対象が住宅の修繕のため、地域の工務店、ガラス屋さん、ペンキ屋さんなど、自営の中小、零細業者の仕事が増やす効果があります。


市長は所信表明で、「住宅リフォーム工事に対する支援を行う」と述べました。

そこで質問します。住宅リフォーム助成制度は2015年度までの3年間の事業としてスタートしましたが、期間を区切らずに恒久化するべきと考えます。その際、施工業者に地域の業者を優先させる条件を加えるなどの改善を図ること、10万円までとなっている助成額は増額するべきと考えますがいかがでしょうか。併せて、当局の見解を伺います。


次に、群馬県高崎市が始めた「まちなか商店リニューアル助成事業」のような店舗改修、備品購入への助成実施についてです。

住宅リフォーム助成制度と同様に、地域の工務店などの仕事おこしの効果とともに、空き店舗化の防止、商店街の活性化などが期待されます。

高崎市の場合には、100万円を上限に助成率は50%です。制度創設に向けて、市職員などが直接商店に訪問、約300件から経営課題などをヒアリングしたそうです。

甲府市でも、商店の要望等の聞き取りを行い、商店リニューアル助成事業を実施してはいかがでしょうか。当局の見解を求めて、1回目の質問とします。




答弁

地域経済の活性化について(答弁者:樋口雄一市長)

 

地域経済を活性化させていくため、国においては、経済政策の効果が地方へ行き渡るよう、まち・ひと・しごと創生本部を設置し、人口減少と地域経済の縮小を克服するための総合戦略の策定とともに、今般、経済対策の早期実行を講ずるべく、地域消費の喚起や地方創生のための先行事業などに対する交付金を補正予算により創設したところです。

このようななか、本市におきましても、私が公約に掲げた「ひと創り」「くらし創り」の二つの施策を効果的に推進するため、様々な施策展開に「新たな発想で稼ぐ」という概念を取り入れながら、地域経済の活性化に努めてまいります。

今後、雇用の確保や交流人口の増加などによる地域の活性化が図られ、福祉、環境、教育など様々な分野においての更なる市民サービスの充実にその経済効果をつなげることにより、くらしに潤いをもたらし、多くの市民に笑顔が生まれるまちづくりを進めてまいります。

なお、市民のみなさまに負担していただいております保険料や水道料金などにつきましては、学識経験者や各種団体の代表などで構成する各協議会や審議会において、さまざまな要素についての調査、審査をしていただき、適正な金額設定を行っているところであります。



重度心身障害者医療費助成制度について(答弁者:福祉部長)

 

重度心身障害者医療費助成制度の助成方法につきましては、県及び県内全市町村で統一した考え方のもと、県内全市町村で、昨年11月から、自動還付方式へ移行し実施しております。

本制度につきましては、県内市町村が医療機関等と連携して統一したシステムで実施していることや、国のペナルティの廃止など、制度を取り巻く状況が変わらないことから、本市独自で重度心身障がい児に対する助成方法を窓口無料方式とする例外規定を設けて実施することは、現時点において考えておりません。

また、窓口無料方式による医療費助成の復活につきましては、自動還付方式に移行する原因となったペナルティ廃止について、県や県内市町村とともに、引き続き、国に要望してまいります。





国民健康保険料の引き下げについて(答弁者:市民部長)

 

国民健康保険事業は、国民健康保険運営協議会においてご審議をいただくなかで設定した所得等に応じた適正な保険料と、国・県の補助金及び法令にもとづく一般会計からの繰入金を主な財源として運営しております。

一般会計からの法定外の繰り入れにつきましては、すこやか子育て医療費助成制度など、本市単独事業の実施に伴う交付金等の減額分をすでに繰り入れております。

更なる繰り入れは、国保加入者以外の市民の負担を伴うことから、国保の財政状況を勘案するなかで、関係部局と協議を行い、慎重に検討してまいりたいと考えております。

 

 

住宅リフォーム助成について(答弁者:建設部長)

 

住宅リフォーム助成事業につきましては、市民の居住環境の向上と地域経済の活性化を図ることを目的として、「甲府市住宅リフォーム助成金交付要綱」を策定し、平成25年度より3カ年で事業を実施しております。

同要綱の助成条件として、施行業者は、市内に本社もしくは本店を置く法人、または市内に住所を有する個人としておりますので、様々な業種への経済波及効果があるものと考えております。

なお、本事業の恒久化および助成額の増額など制度の変更につきましては、本年度の実績や本年度の動向などを勘案するなかで、その必要性も含め検討してまいります。

 

 

商店へのリニューアル助成について(答弁者:産業部長)

 

本市では、空き店舗活用事業補助制度の拡充や、中心商店街の活性化に取り組む関係者や個店などを支援する「小グループ自主的取組支援事業」を創設するなかで、ものづくりの拠点店舗や老朽化したビルのリノベーションによる店舗等の開設に、助成を行ってきたところであります。

また、現在、産学官民で取り組みを進めている「中心市街地ストリート再生事業」においても「まちの魅力向上」を目的とするリノベーションプロジェクトを推進しております。

本市では、このような商店街の関係者や個店、まちづくりに取り組む方々が、連携して行う事業に対し支援することが、商店街の「やる気」を喚起し、活性化につながるものと考えております。

ご提案のリニューアル助成につきましては、現在、実施している事業の効果を検証するとともに、商店等への聞き取りを行うなど、今後、調査研究してまいりたいと考えております。